家族葬なら通夜振る舞いはなくても失礼にならない?
通夜振る舞いは参列者様への心遣いがあれば、しなくても失礼にはなりません。特に家族葬では省略されるケースが多いです。マナーとして前もってお知らせすることだけは忘れないでくださいね。
通夜振る舞いをやるべきか迷っている
なるべく葬儀費用を抑えたい
失礼になるようなことは避けたい
通夜振る舞いとは?
通夜振る舞いとは、お通夜の後に行われる食事のことです。
「故人様との最後の食事」といった意味合いがあり、故人様との思い出を語らいながら食事をする場です。
告別式の会葬者にお出しする「精進落とし」とは意味が異なり、お料理の内容も少しカジュアルです。
費用は1人あたり2,000〜3,000円くらいが相場とお考えください。
お通夜の人数は予測しづらいので、お寿司や天ぷら、煮物といったみんなで取り分ける大皿料理が中心になります。これなら、余ったら折り詰めで持ち帰っていただくこともできます。
辞退される方もいるので、参列者の7割程度を想定して用意すると良いでしょう。
通夜振る舞いは省略しても大丈夫?
結論から言うと、大丈夫です。家族葬でも、一般葬でもマナー違反にはあたりません。
特に家族葬の場合に省略されるケースが多いです。
遠方から来られる方もいるため、時間の短縮などが理由にあると思います。
むしろ、早く解散した方が相手の負担にならないという考え方ですね。
1日葬や直葬といった簡略化された葬儀が主流になりつつある近年では、お通夜自体がないことも多く、その場合はもちろん通夜振る舞いもありません。
ただし、僧侶にはお弁当もしくは5,000円〜10,000円のご膳料をお渡しするのがマナーとされています。
粗供養品はどんなものが良い?
参列者に対するお礼は、粗供養品(返礼品)をお渡しすれば問題ありません。
これは、参列者全員にお渡しします。
相場は500〜1,000円程度。
粗供養品は不祝儀を残さないという意味を含めて、消えものがよいとされています。
お弁当、ビール券、商品券などの消耗品がおすすめです。
これは香典返しとは別ものなので、注意してください。
お通夜にだけいらした方が、告別式に参加できないからとその場で香典をくださったとします。
その場合、その場では粗供養品を、後日香典返しを、別でお渡しします。
通夜振る舞いをしないメリット・デメリット
通夜振る舞いをしないことはマナー違反にはあたらないということが分かったところで、メリット・デメリットもきちんとお伝えしておきますね。
メリット
●費用の負担が少ない
お料理はもちろん会場の費用も省略することができます。
●時間短縮になる
通夜振る舞いを行う時間は約1時間ほど。
遠方から来ている方、高齢の方への配慮で、早く解散した方が親切な場合もあります。
デメリット
●地域によって、古風な考えの方には受け入れられないかも
葬儀の習慣は、その家や地方によってかなり異なります。通夜振る舞いは当然するべきと考える方には、違和感があるかもしれません。
省略することが問題となりそうなら、事前によくご家族で話し合っておく必要がありますね。
この記事を監修した葬儀のプロよりコメント
お通夜自体がなくなりつつある時代
通夜振る舞いという言葉自体が過去の言葉となる日も近いのかもしれませんね……。
僕としては、ご遺族の負担が軽くなるなら無理に行わなくても良いと思います。家族葬であればなおさら、気持ちを汲んでもらえるのではないでしょうか🕯
早稲田大学大学院にて研究。大学卒業後、業界最大手企業へ入社。ライフエンディング領域における多岐にわたる業務に従事し、幅広い分野を経験。仏教葬祭アドバイザー、消費生活アドバイザー、ファイナンシャルプランナー2級、高齢社会エキスパートの資格を取得。横浜葬儀社の事業責任者として、専門的なアドバイスとサポートを提供し、故人様とその家族様にとって安心した葬儀サービスを提供することに全力を注ぐ。