葬儀後にやること 法要編
2023.8.14
通夜や葬儀の後には、いくつかの法要が行われることがあります。これらの法要は、故人を偲ぶだけでなく、親族同士が集まる貴重な機会でもあります。
葬儀後は、さまざまな手続きに追われることがありますので、法要の準備まで行うことは大変なことかもしれません。
以下に、代表的な法要をご紹介します。
〜法要とは〜
法要は、故人があの世で良い報いを受けられるようにという願いを込めて行われる供養の儀式です。この儀式は法会や法事とも呼ばれます。仏教の教えによれば、人が亡くなると四十九日間は死者の魂が迷っていると考えられています。そのため、七日ごとに七回、あの世で生前の罪や行いを裁く審判が行われると信じられています。遺族は故人が成仏し、極楽浄土へと導かれるように、読経や供養を行うのです。
最近では、七日ごとに法要を行うのではなく、主に初七日、三十五日、四十九日に法要が行われるのが一般的です。初七日は最初の日であり、近親者、親戚、友人、知人を招き、僧侶による読経が行われますが、この法要は火葬後の遺骨の受け取りの後に行われることが多くなりました。
〜3種類の法要〜
葬儀後の法要には、忌日法要(きじつほうよう)、月忌法要(がっきほうよう)、年忌法要(ねんきほうよう)の3種類があります。これらの法要は、亡くなった人の霊が極楽浄土へと導かれることを願い、定期的に執り行われます。
【忌日法要】(きじつほうよう)
仏教では、亡くなった人は死後7日おきに閻魔(えんま)大王の裁きを受け、49日後に来世の行き先が決まると考えられています。
この49日間は、亡くなった人の霊がこの世とあの世の間を彷徨いながら過ごすとされており、その間に供養を行うことで、良い審判が下されるように祈ります。このため、忌日法要は特定の日程で行われます。
[忌日法要の日程]
初七日(しょなのか)7日目
二七日忌(ふたなのか)14日目
三七日忌(みなのか)21日目
四七日忌(よなのか)28日目
五七日忌(いつなのか)35日目
六七日忌(むなのか)42日目
七七日忌、四十九日(なななのか・しじゅうくにち)49日目
※最近では七日間ごとに法要は行わず、主に初七日、四十九日の法要を行うのが通例です。
【月忌法要】(がっきほうよう)
月忌法要は、亡くなった人の月命日に行われる特別な法要のことを指します。月命日とは、亡くなった人が亡くなった日と同じ日に、月が1か月の周期で巡ってくることを指します。
月忌法要の際、遺族は亡くなった人を思い出し、故人のお墓参りを行います。このお墓参りを「月参り」と呼びます。
【年忌法要】(ねんきほうよう)
年忌法要は、亡くなった人を供養し、遺族が悲しみから立ち直るために行われる法要です。
亡くなった日は命日ですが、初めの1年間は「命日」と呼ばれ、1年目以降は亡くなった同じ日を「祥月命日(しょうつきめいにち)」と言います。
年忌法要は、特定の年の祥月命日に執り行われます。この法要では、遺族や関係者が集まり、亡くなった人を偲びます。遺族は、故人の功績や思い出を振り返りながら、故人の霊が安らかであることを祈ります。また、参列者全員が故人を思い出し、共有することで、遺族が悲しみから立ち直る助けとなるのです。
一周忌:命日から満1年目
三回忌:命日から満2年目
七回忌:命日から満6年目
十三回忌:命日から満12年目
十七回忌:命日から満16年目
二十三回忌:命日から満22年目
二十七回忌:命日から満26年目
三十三回忌:命日から満32年目
三十七回忌:命日から満36年目
四十三回忌:命日から満42年目
四十七回忌:命日から満46年目
五十回忌:命日から満49年目
百回忌:命日から満99年目
※一周忌と三周忌は特に重視されます
〜特に重要な法要について〜
【初七日法要】
葬儀後、最初に行われる法要は初七日です。この法要は、故人が三途の川に到着するとされる日であり、亡くなった日を1日目として、その後6日経った日に行われます。
ただし、地域によっては数え方が異なる場合もあり、7日後に行われることもあります。
現代社会では多くの人々が忙しく、そのため葬儀の日と同時に初七日の法要を行うことが一般的です。この方法は「繰り上げ初七日法要」と呼ばれています。
ほとんどの場合は葬儀・告別式・火葬・繰り上げ初七日法要の順に1日で行います。
また、葬儀の中で初七日法要を行う場合、それを「繰り込み初七日法要」と呼びます。
一方、葬儀とは別の日に初七日法要を執り行う場合、一般的にはお坊さんを自宅に招いて法要を行うか、お寺に遺影、遺骨、位牌を持参して法要を行います。
【四十九日法要】
四十九日は、亡くなった人が閻魔大王から最後の審判を受ける日であり、極楽浄土への行き先が確定する最も重要な日です。
この日までの期間、亡くなってから四十九日までは「中陰(ちゅういん)」と呼ばれ、四十九日を「満中陰(まんちゅういん)」と言います。この期間は、故人の霊魂が冥界での試練や清めの過程を経ていると考えられています。
四十九日の到来は、「忌明け(きあけ)」とも言われ、遺族が喪に服す期間を終え、日常生活に戻る日でもあります。
※白木の位牌については、四十九日までに本位牌に切り替えることが一般的です。四十九日の忌明けからは、本位牌をお仏壇にお安置します。
【百か日法要】
百か日法要は、故人の命日から100日目に行われる儀式です。この法要では、他の法要と同様にお経を読んでもらい、焼香を行った後に親族で会食を行います。ただし、最近では家族のみで法要を行うケースも増えています。
百か日法要は、遺族が家族を失った悲しみを乗り越えて前に進むための重要な儀式です。
また、百か日法要までには、香典返しやあいさつなどの社会的な手続きを済ませておくことが一つの目安とされています。
【一周忌】
一周忌は、亡くなってから満1年目に行われる儀式であり、最初の年忌法要です。
年忌法要の中でも特に重要なのが一周忌法要であり、遺族は一周忌までは「喪中」とされ、その後から「喪が明ける」とされます。
一回忌と一周忌は混同されやすいですが、一回忌は命日を指し、一周忌は命日から満1年後に行われるものであり、異なります。
一周忌法要では、親族や故人と親しい友人が参列し、自宅、お寺、または葬儀場などで行われます。
【三回忌以降の法要】
一周忌の後は、三回忌以降、数字に「3」と「7」が含まれる回忌に年忌法要が行われます。
三回忌までは、親族や故人と親しかった友人が参列し、お坊さんによる読経、焼香、お斎が行われます。
七回忌以降は、親族だけで供養することが一般的です。
年忌法要の最後を「弔い上げ」と呼びます。
一般的に、三十三回忌が弔い上げとされることが多いです。
十三回忌の頃には、どの魂も無罪放免と考えられ、極楽浄土へ行き成仏しているとされているからです。
弔い上げは、これまでの年忌法要と同様に、お坊さんの読経、焼香、お斎が行われますが、より盛大な傾向があります。
弔い上げの後は、故人の霊を先祖代々の霊と一緒に弔うことになります。
位牌から故人の魂が抜けると考えられるため、位牌を片付け、お寺で炊き上げをしてもらいます。
先祖代々のお墓か合同墓で永代供養するための手続きも行われます。
〜まとめ〜
葬儀後に行われる主な法要は、忌日法要、月忌法要、年忌法要です。
これらの法要は、「亡くなった方の霊を慰める」という意味合いを持っています。
特に初七日、四十九日、一周忌といった法要は重要視されています。