一日葬とは
「一日葬」とは、通夜を行わずに葬儀を行う形式のことを指します。通常の葬儀では、通夜を行い、翌日に葬儀や告別式を行うために2日間にわたって行う場合が一般的です。しかし、一日葬では通夜を省略し、葬儀や告別式を1日で終了する形式をとります。
近年増加傾向にある「家族葬」とは異なり、参列者に制限がないという特徴があります。家族のみで行う家族葬とは異なり、一般の方々も参列可能な形式となっています。
「家族葬での一日葬」ということも可能です。葬儀には多種多様な形式がありますが、一日葬はその柔軟性から、様々な形式に対応することができる葬儀形式の一つといえます。
一日葬とは何か知りたい方
一日葬の流れを入りたい方
一日葬のメリットデメリットを知りたい方
〜一日葬の流れ〜
一日葬の流れは以下。
臨終•お迎え
まず、ご遺族の方は、故人様が息を引き取られたら速やかに葬儀会社にご連絡ください。病院で亡くなった場合には、医師から「死亡診断書」を発行していただけます。自宅療養中の場合には、かかりつけの主治医に速やかにご連絡いただくようお勧めします。自宅で亡くなった場合には、警察による事件性の有無の検視を行う場合があるため、故人様を勝手に移動させないようにご注意ください。
死亡診断書を受け取られたら、故人様を自宅や安置施設に安置していただくことができます。どちらにするか葬儀会社と決めてください。
打ち合わせ•手続き
一日葬の打ち合わせを行う際には、以下のような内容を確認することが一般的です。
1.菩提寺について
菩提寺への訃報連絡と僧侶の派遣について、必ずご相談いただくようお勧めいたします。
また必ず一日葬で通夜をやらない事を伝えて許可を得てください。菩提寺が遠方にある場合でも、すぐに知らせることが大切です。菩提寺が遠方にお住まいの場合でも、駆けつけていただける場合がありますので、早めのご連絡が重要です。
2.葬儀の日程について
家族の都合を考慮して、葬儀の日程を決定します。また、式場や会場の予約状況を確認し、調整することも必要です。菩提寺がある場合は菩提寺が葬儀についての日程などを決めるのが一般的です。なので菩提寺に必ず一日葬で通夜をやらない事の許可を得ないといけません。
3.式場や会場の選定と火葬場を決める
葬儀の規模やスタイルに合わせて、式場や会場を選定します。一日葬の場合、参列者の人数に左右されます。
4.葬儀の進行について
葬儀の進行についても確認し、司会者や音楽などの演出についても決定します。また、参列者への案内状の作成も必要であれば行います。
5.式場や会場の装飾
葬儀の場をより落ち着いた雰囲気にするため、式場や会場の装飾についても検討します。故人様の好きだった花や色、写真などを取り入れることが一般的です。また祭壇の大きさやプランに入っている祭壇を使用するかを決めます。
6.香典返しについて
一般的には、葬儀参列者から贈られた香典に対して、故人の遺族からお礼として「香典返し」というものを贈ることが一般的です。
香典返しには、食品や飲料品、お菓子、タオル、日用品などが一般的な贈り物です。お返しをなににするかを決めます。
7.精進落としについて
精進落としの食事内容や、火葬中に頂くのか、火葬が終わってからにするのかを打ち合わせで決めます。
以上が一般的な打ち合わせについてです
次に
納棺
故人様が旅立つための最後の準備の一つであり、棺に故人様を納める行為です。家族からの要望によって納棺師を手配し、故人様に死化粧を施し、着替えさせてあげたり、見た目を整えることもできます。ただし、葬儀社のプランによっては、このサービスに別途料金がかかることがあります。また、納棺の際には、遺族からの要望に応じて思い出の品や花を棺に入れることも可能です。
葬儀•告別式
大切な方を送り出すために執り行われる儀式であり、参列者一同が着席したところで開式されます。開式の際には、僧侶による読経が行われ、故人様の安らかな旅立ちを祈ります。
その後、喪主、遺族、参列者の順に焼香を捧げます。焼香は、故人様に対する最後の敬意を表し、深い感謝の気持ちを伝える儀式です。
また、友人や知人からの弔電があった場合には、告別式の最中に読み上げられます。弔電は、故人様との関わりを持つ人々からの心温まるお言葉であり、告別式に参列できなかった人々からの思いやりが込められています。
出棺
故人様の棺を葬儀会場から運び出し、霊柩車に乗せます。この時、喪主が位牌を持ち、故人様と関係の深い人が遺影を手にします。
遺族全員が火葬場に同行しない場合は、喪主が挨拶をし、故人様を送り出すのが一般的です。霊柩車を先頭にして、車やマイクロバスなどで親族も火葬場に向かいます。火葬場での納めの儀式が行われる場合は、僧侶も同行します。
※火葬場に併設された会場を使用した場合は霊柩車には乗せたり移動はありません。
火葬
火葬炉前での最後のお別れの時間がやってきました。火葬場によって時間は異なりますが、通常は5分から10分程度の短い時間です。この時間は、故人様に触れられる最後の機会となります。
収骨
火葬が終了した後、遺族や参列者によって、遺骨を骨壷に移す作業が行われます。喪主から故人様と近い血縁者の順に二人一組で、お箸を使ってお骨を骨壷に移します。お箸を使ってお骨を拾うのは、あの世への橋渡しの思いが込められていると言われています。
この作業が終わると、埋葬許可証を受け取ります。一般的には、骨壷と一緒に箱に納めてくれます。この許可証は、納骨の時に必要になるものなので、無くさないように注意しましょう。
これが一般的な一日葬の流れです。
〜一日葬の費用相場〜
50万~100万円程度です。
葬儀の規模や参列者により金額の変動は大きいです。
一日葬の費用を削減できる理由としては、お通夜を省略することや、接待費用がかかる参列者が少なくなる傾向にあることが挙げられます。
〜一日葬のメリット〜
1.日程の調整のしやすさ
一日葬の特徴のひとつとして、日程の調整が容易である点も挙げられます。通夜を行う場合、二日間にわたって日程を確保しなければなりませんが、一日葬であれば一日だけの調整で済みます。仕事が忙しい方などにとっては、一日葬は大きな利点となるでしょう。
2.家族の負担が軽減される
通常の葬儀では、一日目に通夜、二日目に告別式や火葬が行われるため、喪主や家族は来客対応などで大きな負担を強いられることがあります。また、高齢の家族がいる場合は、二日間の参列は体力的に厳しい可能性もあります。一方、一日葬であれば、これらの負担を軽減することができます。
3.葬儀費用の削減
通夜を行わないことにより、通夜にかかる費用の式場利用料、飲食費、人件費などをすべて削減することができます。また、返礼品や精進落としにかかる費用も少なくてすみます。
〜一日葬のデメリット〜
1.菩提寺からの理解を得られない
一日葬は比較的新しい形式の葬儀であるため、菩提寺からの許可が得られない場合があります。事前に菩提寺に相談し、一日葬が行えるかどうかを確認することが重要です。
2.参列できない方が多くなる可能性がある
一日葬の場合、告別式は通常、午前11時から12時ごろに行われることが一般的です。この時間帯に仕事が忙しい方は、葬儀に参列することが難しい場合があります。
3.会場使用料が2日分かかる場合がある
葬儀当日だけでなく前日から遺体を搬入し会場の設営する必要がある場合があります。その場合、会場費は2日分支払う必要があります。したがって、葬儀自体は一日で行われるものの、会場利用に必要な費用が二日分必要となる場合があることに注意が必要です。
この記事を監修した葬儀のプロよりコメント
一日葬では通夜を省略
葬儀や告別式を1日で終了する形式
葬儀は、故人を送り出すための最後の儀式であり、故人を偲ぶ家族や友人たちにとっても大切な時間です。
葬儀の規模や形式よりも、故人を偲び、故人の生きた証となるような葬儀を執り行うことが何よりも大切です。
一日葬でも、参列者全員が故人を偲び、心を込めて葬儀を執り行うことができれば、その葬儀には大きな意味があります。
早稲田大学大学院にて研究。大学卒業後、業界最大手企業へ入社。ライフエンディング領域における多岐にわたる業務に従事し、幅広い分野を経験。仏教葬祭アドバイザー、消費生活アドバイザー、ファイナンシャルプランナー2級、高齢社会エキスパートの資格を取得。横浜葬儀社の事業責任者として、専門的なアドバイスとサポートを提供し、故人様とその家族様にとって安心した葬儀サービスを提供することに全力を注ぐ。