焼香とは?基本の作法と宗派による違いを解説

焼香とは、仏式の通夜や葬儀・告別式、法要で香をたき、仏や故人へ敬意を表す行為です。立礼焼香・座礼焼香・回し焼香の3つの形式があり、抹香を香炉へ入れる回数や、額の近くへ掲げる「押しいただく」動作の有無は宗派によって異なります。作法が分からない場合は、係員の案内に従い、落ち着いて故人を偲ぶことが大切です。

関 友宜 はばたきグループ 事業責任者
監修者

関 友宜
はばたきグループ 事業責任者

葬儀業界10年以上。対応した葬儀施行件数は2000件以上。
現在は神奈川県の葬儀社「はばたきグループ」の事業責任者として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。培った専門知識や経験をもとに、神奈川県の葬儀に役立つ情報をご提供します。

目次

焼香を行う意味

焼香には、香りによって心身を清め、仏や故人へ敬意を表す意味があります。通夜や葬儀・告別式では、参列者が祭壇の前へ進み、香をたいて合掌します。

焼香で使用する香は「抹香」と呼ばれる細かく刻んだ香木です。香炉の中にある火種へ抹香を落とし、香りを立てます。自宅でのお参りなどに使われる線香とは、形や扱い方が異なります。

焼香の基本的な流れ

焼香の細かな作法は宗派や会場によって異なりますが、基本的には「焼香台へ進む」「遺族や祭壇へ一礼する」「焼香する」「合掌する」「一礼して席へ戻る」という流れです。

順番が来たら、数珠を持っている場合は左手に掛け、焼香台の前まで進みます。遺族と僧侶へ一礼し、祭壇へ向き直って一礼します。

右手の親指、人差し指、中指で抹香を少量つまみます。宗派の作法に応じて、抹香を額の近くへ掲げてから香炉へ落とすか、押しいただかずに香炉へ入れます。

焼香を終えたら、祭壇へ向かって合掌して一礼します。その後、遺族へ一礼し、静かに席へ戻ります。会場の配置によって一礼する位置や順序が異なる場合は、係員の案内に従いましょう。

焼香には3つの形式がある

焼香の形式は、主に立礼焼香・座礼焼香・回し焼香の3つです。会場の広さ、椅子席か畳か、参列者数などに応じて形式が決まります。

立礼焼香

立礼焼香は、祭壇の前に設けられた焼香台まで歩いて進み、立ったまま行う方法です。椅子席の葬儀会場で広く用いられています。

座礼焼香

座礼焼香は、畳の会場などで正座をして行う方法です。焼香台までの距離が短い場合は、立ち上がらず、膝をついたまま移動することがあります。正座や膝での移動が難しい場合は、無理をせず係員へ相談しましょう。

回し焼香

回し焼香は、参列者が焼香台へ移動せず、香炉と抹香を載せた盆を順番に回して行う方法です。自宅葬や会場が狭い場合などに用いられます。

盆を両手で受け取り、机がある場合は机の上へ置きます。机がない場合は、盆を膝の上で支えて焼香します。焼香と合掌を終えたら、盆を両手で次の方へ渡します。

宗派によって焼香の回数が異なる

焼香の回数や、抹香を額の近くへ掲げる「押しいただく」動作は宗派によって異なります。主な宗派の一般的な作法は次のとおりですが、同じ宗派でも寺院や地域によって異なる場合があります。

天台宗

焼香回数に厳密な定めはないとされ、1回または3回行うことがあります。抹香は押しいただいてから香炉へ入れます。

真言宗

抹香を押しいただき、3回焼香するのが一般的です。

浄土宗

抹香を押しいただき、1回から3回焼香することがあります。寺院や地域によって作法が異なります。

浄土真宗本願寺派

抹香を押しいただかず、1回焼香するのが一般的です。

真宗大谷派

抹香を押しいただかず、2回焼香するのが一般的です。

臨済宗

抹香を押しいただき、1回焼香することがあります。寺院によっては作法が異なる場合があります。

曹洞宗

2回焼香するのが一般的です。1回目は抹香を押しいただき、2回目は押しいただかずに香炉へ入れます。

日蓮宗

抹香を押しいただき、1回または3回焼香することがあります。寺院や地域によって異なるため、案内を確認しましょう。

はばたきグループには、1級葬祭ディレクターや仏教葬祭アドバイザーなどの有資格者が在籍しています。宗派が分からない場合や、喪主側として焼香方法を案内する必要がある場合も相談できます。

宗派や作法が分からない場合の対応

参列先の宗派が分からない場合は、自分が信仰している宗派の作法で焼香しても差し支えないとされています。自身の宗派も分からない場合は、抹香を1回香炉へ入れ、合掌する方法が分かりやすいでしょう。

前の参列者の回数をそのまままねても、その方が葬儀の宗派と同じ作法で行っているとは限りません。会場で回数の案内がある場合はその案内に従い、分からなければ葬儀社の係員へ確認します。

宗派ごとの回数を間違えないことだけに気を取られる必要はありません。焼香は故人を偲び、敬意を表すための行為であるため、慌てず丁寧に行うことが大切です。

焼香を行う順番

焼香は一般的に、喪主、遺族、親族、一般参列者の順に行います。一般参列者は前方の席から案内されることが多いため、係員の指示に従って焼香台へ進みます。

社葬や規模の大きな葬儀では、故人との関係や役職などをもとに順番を決めることがあります。喪主側は、親族間で順番に迷わないよう、事前に葬儀社と確認しておくと安心です。

よくある質問

焼香の際に数珠を忘れた場合はどうしますか?

数珠がなくても焼香できます。数珠は個人が祈りに用いる仏具とされているため、ほかの人から借りず、数珠を持たずに合掌して差し支えありません。

立ったり正座したりすることが難しい場合はどうしますか?

無理に立ったり正座したりする必要はありません。自席で一礼や合掌をする、椅子に座ったまま焼香するなど、会場に応じた方法を係員へ相談しましょう。

子どもも一人で焼香する必要がありますか?

一人で行うことが難しい年齢であれば、保護者と一緒に焼香台へ進んで差し支えありません。幼い子どもは、無理のない範囲で一礼や合掌を行います。

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