生活保護葬(福祉葬)とは?葬祭扶助の対象・内容・手続きを解説

生活保護葬(福祉葬)とは、生活保護法の葬祭扶助を利用して行う、必要最小限の葬送を指す一般的な呼び方です。利用できるかどうかは福祉事務所が個別に判断するため、生活保護を受けていた方が亡くなっただけで自動的に適用されるわけではありません。

関 友宜 はばたきグループ 事業責任者
監修者

関 友宜
はばたきグループ 事業責任者

葬儀業界10年以上。対応した葬儀施行件数は2000件以上。
現在は神奈川県の葬儀社「はばたきグループ」の事業責任者として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。培った専門知識や経験をもとに、神奈川県の葬儀に役立つ情報をご提供します。

目次

生活保護葬(福祉葬)と葬祭扶助の意味

法律上の制度名は「葬祭扶助」です。生活保護法では、困窮のため最低限度の生活を維持できない方に対し、検案、ご遺体の運搬、火葬または埋葬、納骨その他葬祭に必要なものの範囲で扶助を行うと定めています。

一般に「生活保護葬」「福祉葬」と呼ばれていますが、葬祭扶助そのものは葬儀社独自の割引プランではありません。福祉事務所の決定に基づき、葬祭扶助の基準内で葬送を行う制度です。葬祭扶助のための金品は、原則として葬祭を行う方に対して交付されます。

葬祭扶助の対象になる主なケース

対象になるかどうかは、亡くなった方が生活保護を受けていたかどうかだけでなく、誰が葬祭を行うのか、その方が費用を負担できるのか、葬祭を行う扶養義務者がいるかなどを踏まえて判断されます。

主に、生活に困窮している方が葬祭を行う必要があるものの費用を負担できない場合や、被保護者が亡くなり葬祭を行う扶養義務者がいない場合などが対象として検討されます。また、葬祭を行う扶養義務者がおらず、故人の遺留金品だけでは必要な費用を賄えない場合に、葬祭を行う方へ扶助が認められることもあります。

一方で、葬祭を行える扶養義務者がいる場合や、故人の預貯金などで必要な費用を賄える場合は、葬祭扶助が認められないことがあります。担当ケースワーカーまたは福祉事務所へ相談し、個別に判断を受ける必要があります。

葬祭扶助で行われる内容

葬祭扶助では、基準の範囲内で、検案、ご遺体の搬送、棺や骨壺、火葬または埋葬、納骨などに必要な費用が対象になります。火葬までご遺体を保全するために特別な費用が必要な場合は、必要最小限の実費が認められることもあります。

実際の葬送は、通夜や告別式を設けず、安置場所から火葬場へお連れして火葬する形式が一般的です。宗教者へのお布施、希望による祭壇や供花、料理、会葬返礼品などは、通常、葬祭扶助の対象には含まれません。

対象になる内容や費用の上限、支払い方法は、地域や個別の事情によって異なります。葬儀社と内容を決める前に、福祉事務所から認められる範囲を確認することが重要です。

はばたきグループには、厚生労働省認定の1級葬祭ディレクターが在籍しています。葬祭扶助の利用可否は福祉事務所が決定しますが、認められた範囲に合わせて葬送内容や見積もりを整理する際に相談できます。

葬祭扶助を利用する際の手続き

まず、担当ケースワーカーまたは福祉事務所へ連絡し、葬祭扶助を申請できるか相談します。その後、福祉事務所の指示に沿って、葬祭扶助に対応できる葬儀社を確認し、認められた範囲で搬送・安置・納棺・火葬などの手配を進めます。

福祉事務所の確認を得ないまま葬儀内容や費用を確定したり、火葬まで終えたりすると、支払った費用が扶助の対象にならない可能性があります。ご逝去後は搬送を急ぐ必要がありますが、葬儀社へ葬祭扶助を相談中であることを最初に伝え、福祉事務所の確認を得ながら進めましょう。

利用を検討するときの注意点

葬祭扶助と、健康保険から支給される葬祭費・埋葬料は異なる制度です。申請者や支給条件が異なるほか、葬祭費などの給付や故人の遺留金品が葬祭に必要な費用へ充てられる場合もあります。併せて受け取れると自己判断せず、福祉事務所や加入していた保険者へ確認してください。

また、葬祭扶助は、単に葬儀費用を抑えたいという理由で利用できる制度ではありません。対象外となった場合に備え、火葬式など必要な内容を絞った葬儀プランの見積もりも確認しておくと、次の判断へ進みやすくなります。

よくある質問

生活保護を受けていた方なら必ず葬祭扶助を利用できますか?

自動的に利用できるわけではありません。葬祭を行う方の経済状況、葬祭を行う扶養義務者の有無、故人の遺留金品などを確認し、福祉事務所が個別に判断します。

通夜や告別式はできますか?

葬祭扶助は必要最小限の葬送を対象とするため、一般的には通夜・告別式を設けない火葬中心の内容になります。地域によって扱いが異なる可能性があるため、福祉事務所へ確認してください。

家族が追加費用を支払って内容を変更できますか?

葬祭扶助へ自己負担を上乗せした施行を認めていない場合があります。葬儀社だけで内容を決めず、費用を支払う前に福祉事務所へ確認してください。

関連する言葉

火葬式、直葬、葬儀費用葬祭費埋葬料葬儀社選び