遺品整理と生前整理の違いとは?

遺品整理は故人さまがお亡くなりになったあと、ご家族が行うお片付けです。一方の生前整理は、ご本人がお元気なうちに自らの意思で持ち物を整理しておくことを指します。

大切な方を亡くされ、「何から手をつければよいか」とご不安な方もご安心ください。ふたつの違いやご負担を減らす手順、費用相場を解説いたします。

齋藤 愛子 はばたきグループ 葬祭プランナー
著者

真木 平和
はばたきグループ 葬祭プランナー

「はばたきグループ」の遺品整理士として、お葬式のあとに残されたお住まいの片付けをお手伝いしています。
遺品整理士認定協会 認定「遺品整理士」資格を保有しています。
遺品整理は、ただ物を片付ける作業ではなく、故人さまの歩みをご家族がたどり直す時間だと考えています。
「あとから悔いの残らない手放し方をしていただきたい」という想いで、地域の皆様に役立つ情報をお届けしています。

関 友宜 はばたきグループ 事業責任者
監修者

関 友宜
はばたきグループ 事業責任者

葬儀業界10年以上。これまでに2,000件以上のお葬式を担当してきました。
現在は「はばたきグループ」の事業責任者を務めています。

お見送りが終わっても、遺品整理やお住まいの片付け、各種のお手続きなど、ご家族のご負担は続きます。
はばたきグループでは、お葬式で終わりにしない、その後のアフターサポートも大切にしています。
お葬式で培った知識と経験をもとに、遺品整理に役立つ情報をお届けします。

この記事はこんな人におすすめ

  • 遺品整理と生前整理の違いや始める時期を知りたい方
  • 事業者へ依頼する際の費用相場や料金を抑える方法を知りたい方
  • 負担を減らす片付けの手順や悪徳事業者を避ける選び方を学びたい方
目次

遺品整理と生前整理の
決定的な違いとは

遺品整理(故人さまの品を仕分け、遺すものと手放すものに分けること)は、残されたご家族が判断して進めます。一方の生前整理(ご本人がお元気なうちに持ち物を整理しておくこと)は、ご自身の意思で行う点が大きな違いです。故人さまの品を前にすると「手放して後悔しないか」と迷われ、手が止まってしまうお声をよくいただきます。

著者(真木)

ご遺品を前にすると「故人さまが大切にしていたかも…」と処分をためらってしまいますよね。
私も現場で、お写真を胸に抱いて涙されるご遺族さまを何度も拝見してまいりました。

ご自身の意思を反映できるかが大きな違い

生前整理では、誰に何を譲るかというご本人の意思で、お品物をどうするか明確に決められます。残されたご家族が判断に迷うことがなくなり、ご家族のご負担を大きく減らせるのが特徴です。これは、いまあるお品物をすべて手放さなければならないということではありません。

お手元に残したい大切なものはそのまま残し、それ以外を少しずつ整理するだけで十分です。

ご自身のペースで進めていくことが一番の解決策です。

著者(真木)

すべてを完璧に整理しなくても大丈夫です。
ご自身の大切な思い出はそのままに、少しずつ不用品を減らすだけでもご家族の負担は大きく和らぎますよ。

負担を和らげる
生前整理の利点と時期

生前整理の利点は、残されるご家族の精神的および体力的なご負担を大きく減らせることです。あらかじめ不用品が減っていれば、残されたご家族が迷うことなく安心してお片付けを進められます。また、不用品を手放すことで、将来に向けた安全な生活環境を確保できる点も重要です。

安全な環境づくりと財産の所在を明確にする

年齢を重ねると、少しの段差や床に置かれたお品物につまずいてしまう危険性が高まります。ご高齢の方の転倒事故は住み慣れたご自宅で多く起きており、命にかかわることも少なくありません。そのため、床置きされている不用品から優先して手放し、安全な動線を確保することが具体的な第一歩です。

項目データや事実の概要出典など
高齢者の転倒事故の傾向約半数が住み慣れたご自宅で発生消費者庁
不用品回収に関する相談件数年間2,472件(2024年度)国民生活センター調べ

生前整理では、ご無理のない範囲で次のようなことから始めてみてください。

  1. 通帳や権利書など財産の所在を書き留める
  2. 不用品を手放して安全な動線を確保する
  3. デジタル遺品の所在を明確にしておく

通帳などの財産の所在は、エンディングノートに書き留めておくことをおすすめします。デジタル遺品(パソコンやスマートフォンに残されたデータや契約)の所在も記しておくと安心です。定年退職やお盆など、ご家族が集まるタイミングを機に話し合いを始めてみてください。

著者(真木)

「片付けの話なんて縁起でもない」と敬遠されがちですが、きっかけ作りが大切です。
年末年始の帰省時などに「最近こんな本を読んでね…」と自然な会話から始めてみてはいかがでしょうか。

遺品整理や生前整理に
かかる費用の相場

お片付けの費用相場は、1Rや1Kで3万〜8万円、3LDKで17万〜50万円が目安です。間取りやお荷物の量、お住まいの階数や搬出経路によって、かかる費用は大きく変動します。すべてをご自身で片付けようとせず、費用相場を参考にしながら事業者へのご依頼もご検討ください。

お部屋の間取り費用の目安
1R・1K3万〜8万円
1DK〜1LDK5万〜20万円
2LDK12万〜30万円
3LDK17万〜50万円

これらの費用は、思い出のあるものの量や、仕分けにかかる作業時間によっても変動いたします。また、エレベーターの有無やトラックを駐車できる場所からの距離によっても料金は変わってまいります。

著者(真木)

「思ったより高いな」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ご家庭ごとに荷物の量や搬出状況は全く違うため、正確な金額を知るには実際の訪問見積もりが欠かせないのが実情です。

費用を抑えるためにご自身で進められること

遺品整理や生前整理にかかる費用のご負担を少しでも減らすため、進められる具体策をお伝えいたします。

  • 明らかな不用品をご自身で少しずつ手放す
  • 買取のサービスを回収より先にご利用いただく
  • 複数の事業者から相見積もりをとって比較する

事前の準備としてお品物を減らしておくことで、当日の作業にかかる時間や費用を無理なく抑えられます。買取のサービスを先にご利用いただくと、全体のお支払いを抑えられる場合が多くございます。ただし、お品物の状態によっては買い取れないものが残るという注意点もございますのでご留意ください。

事業者が買取を行うには古物商許可(都道府県公安委員会が交付する、中古品の買取に必要な許可)が必要です。気になる事業者があれば、まずはお見積りだけでもお取りください。
現地見積り(事業者が実際にお部屋を見てお見積りを出すこと)を断る事業者は避けると安心です。

著者(真木)

優良な業者であれば、無料の訪問見積もりで丁寧に内訳を説明してくれます。
費用を抑えるためのアドバイスをもらえることも多いので、まずは気軽にご相談なさってくださいね。

心身の負担を減らす
お片付けの手順

重要書類を最初に見つけておくとお手続きがスムーズです。

思い出のあるものは後回しにし、明らかな不用品から手放すのがご負担を減らす手順です。初めからアルバムなどのお写真に手をつけると、どうしても手が止まってしまう方が多くいらっしゃいます。手放して後悔しないかとご不安なものは一時的に箱へ入れ、後日ゆっくりとご判断いただくのがおすすめです。

具体的には、次のような手順でお片付けをお進めください。

  1. 引き出しや金庫などから貴重品を探す
  2. 郵便物からご契約中のサービスを調べる
  3. 形見分けするものは別に分けて保管する

形見分け(故人さまの品をご家族や親しい方で分け合うこと)をするお品物も、別に分けておくと安心です。

著者(真木)

思い出の品に触れるたび、故人さまとの日々が蘇り胸が締め付けられますよね。
すぐに決断できなくて当然ですので、「保留箱」を作って心の整理がつくまでゆっくりとお待ちください。

ご家族のお気持ちを尊重しながら進める

ご実家の片付けを行う場合は、ご両親のお気持ちを第一に考え、ご判断を急かさないよう心がけてください。長年大切にされてきたお品物を手放すことは、精神的なご負担を伴うため十分な配慮が必要です。「これからの生活を安全で快適にするため」という前向きな理由をお伝えすることが、スムーズに進める具体策です。

ご本人の価値観を否定せず、よりそう気持ちを大切にしながら少しずつお片付けをお進めください。なお、ご家族が相続放棄をご検討中の場合、お品物を手放すと相続を承認したとみなされるおそれがあります。法的なご不安がある際は、お品物に手をつける前に必ず専門家へご確認いただくようお願いいたします。

安心して依頼できる
事業者の選び方と許可

ご家庭の不用品を運べる一般廃棄物収集運搬業許可を持つ事業者を選ぶことが最も大切です。追加料金のトラブルを防ぐため、必ず書面でお見積りを受け取り、作業範囲をご確認ください。

無料回収をうたうトラックの巡回やチラシ投函は、不法投棄や高額請求につながるおそれがあります。環境省や各自治体、国民生活センターも注意喚起を行っているため、安易なご依頼はお控えいただくのが無難です。

確認したい項目具体的な内容
一般廃棄物収集運搬業許可ご家庭から出る不用品を運ぶために必要な許可
産業廃棄物収集運搬業許可事業所から出るごみ向けの許可(ご家庭用には使えません)
古物商許可中古品の買取を行うために必要な許可
遺品整理士遺品整理士認定協会が認定する民間の資格

相見積もりを取り作業内容を比較検討する

ご家庭から出る不用品を運ぶためには、一般廃棄物収集運搬業許可(市区町村が交付する、ご家庭から出る不用品を運ぶために必要な許可)が必ず必要です。産業廃棄物収集運搬業許可(事業所から出るごみ向けの許可で、ご家庭の遺品整理には使えない)とは異なります。
二つの許可を混同されないようご注意ください。

遺品整理士(遺品整理士認定協会が認定する民間の資格)が在籍しているかどうかも、判断材料になります。国家資格ではありませんが、ご家族によりそう専門知識を持つ証として、安心の基準のひとつとなります。適正な料金を把握するためにも、2〜3社を目安に相見積もりを取り、対応の丁寧さを比べてみましょう。

ご不安な点は、お見積りのときに遠慮なくご確認ください。
信頼できる事業者選びが、心身のご負担を和らげる第一歩となります。

合わせて読みたい関連記事

著者(真木)

私たち遺品整理士は、ただ物を片付けるだけでなく、ご遺族さまの心によりそうことを何より大切にしています。
信頼できる業者と二人三脚で進めることで、皆さまの負担が少しでも軽くなることを心より願っております。

遺品整理や生前整理に
関するよくある質問

遺品整理と生前整理の決定的な違いは何ですか?

最も大きな違いは「誰の意思で片付けを進めるか」という点にあります。遺品整理は故人さまが残されたお品物を、ご家族が仕分けやお手放しの判断をしなければなりません。一方の生前整理は、ご本人がお元気なうちに自身の意思で誰に何を譲るか決められます。ご家族の負担を大きく減らせるのが特徴です。

片付け費用の相場はどのくらいを想定すればよいですか?

間取りやお荷物の量によって異なりますが、一般的な目安として1Rや1Kで3万〜8万円、3LDKの場合は17万〜50万円ほどが相場となっております。ただし、エレベーターの有無やトラックの駐車位置からの距離で最終的な料金は変動いたします。正確な金額を把握するためにも、必ず複数の事業者から現地見積りを取り、比較検討することが重要です。

悪徳な不用品回収の事業者を避けるにはどうすればよいですか?

ご家庭から出る不用品を適法に運搬するためには、各市区町村が発行する「一般廃棄物収集運搬業許可」が必須となります。ご依頼を検討している事業者がこの許可を持っているか、あるいは許可を持つ事業者と提携しているかをご確認ください。「無料で回収します」と巡回しているトラックは、不法投棄や作業後の高額請求といったトラブルに発展しやすいため避けるのが無難です。

まとめると...

負担を減らすお片付けを
進めるために

遺品整理は残されたご家族が仕分けの判断を行わなければならず、心身への大きなご負担が伴います。一方、お元気なうちにご自身の意思でお品物を仕分ける生前整理は、ご家族のご負担を減らし安全な環境を確保できます。

お片付けの費用は間取りや荷物量で変動しますが、ご自身での事前整理や買取サービスの活用で抑えることが可能です。安心して任せられる事業者選びには、一般廃棄物収集運搬業許可の確認と、複数社での相見積もりが欠かせません。

はばたきグループでは、ご葬儀のあとの遺品整理で皆さまが後悔されないよう、厳選した事業者のみをご紹介しております。少しでもご不安なことがございましたら、まずは私たちへお気軽にご相談ください。

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