忌中や喪中がない宗教はあるの?浄土真宗における過ごし方・マナー

浄土真宗やキリスト教には、忌中や喪中という概念は存在しません。親族が亡くなられた直後であっても、結婚式への出席や旅行といった行動に宗教上の制限はないとされています。しかし、他の宗派の方への配慮から、お正月や年賀状の対応に悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、浄土真宗における喪中の過ごし方やマナーについて解説します。

この記事はこんな人におすすめ

  • 喪中がない宗教があるか知りたい方
  • 喪中の時期に年賀状を送って良いか悩んでいる方
  • 同様にクリスマスカードも送って良いか悩んでいる方
  • 浄土真宗における喪中の過ごし方を知りたい方
目次

浄土真宗に忌中や喪中がない理由とは

浄土真宗は、法然の弟子である「親鸞」が開いた仏教の宗派です。

阿弥陀如来による万人救済の教えにより、「信心をもって往生(死去)することにより、即座に成仏することができる」という独特の宗教観を持っています。他の仏教宗派が抱く「成仏には長い時間がかかる」という考えとは異なり、死者の往生を信じ、阿弥陀仏の慈悲に帰依することが重要視されます。

このような浄土真宗の特徴により、死を「穢れ」とする概念がなく、忌中や喪中という特別な期間を設ける必要がないのです。したがって、一周忌などの期間に特別な制限を受けることはありません。

浄土真宗と他宗派の喪中の過ごし方の違い

浄土真宗では、他の宗教と異なり、喪中にあたる考えが存在しないため、特に控えるべきことはありません。他の宗教では、喪中には派手な振る舞いや慶事への参加を避けるべきだとされていますが、浄土真宗ではそのような制約はありません。

宗教・宗派忌中・喪中の考え方日常の過ごし方
浄土真宗概念がない(すぐに成仏するため)おめでたい行事への参加や長期の旅行についても特に気にする必要はない
一般的な仏教四十九日まで忌中、一周忌まで喪中慶事や派手な振る舞いを控える
神道五十日祭まで忌中、一年祭まで喪中死を穢れと考え、お祝い事や神社参拝を避ける

浄土真宗では、故人のために善行を積むことや、その人の功徳を称えることが大切とされています。そのため、喪中の期間においても、日常生活や社会活動に通常通り参加することが奨励されています。

【状況別】浄土真宗における喪中時期のマナー

浄土真宗の門徒の方々が心掛けるべきことは、他の宗教や宗派に対して配慮を欠かないことです。浄土真宗では喪中の概念が存在しないため、他の宗派に浄土真宗の考えを押し付けることは避けるべきです。

神社への参拝(初詣)

神社への参拝に関しても注意が必要です。浄土真宗の考え方では、一周忌前に神社にお参りしても問題はありませんが、神社側から難色を示される可能性もあります。

神道における「死は穢れ」という宗教観は、仏教の宗派に関わらず存在するものですので、忌中の時期に鳥居をくぐることを控えるなど、一定の配慮が求められます。

お正月やおせち料理

喪中や忌中の期間には、一般的にお正月の飾りを控えるべきとされています。お正月の飾りは、新年をおめでたい気持ちで迎えるための象徴的な存在であり、喜びや祝福の意味合いがある行為を控えるのが一般的な慣習となっています。

しかし、浄土真宗ではお正月の飾りもおせち料理も問題はありません。とはいえ、他の宗派の方からは不自然に見えることもあるため、そういったことへの配慮も大切にしましょう。

葬儀の現場でも、「浄土真宗なのでお清めの塩は不要ですよね?」とご遺族から確認されることがよくあります。スタッフにお申し付けいただければ、塩の用意を省くなど教義に沿った対応が可能ですのでご安心ください。

浄土真宗の喪中はがき・年賀状はどうする?

浄土真宗では、「喪中」や「忌中」という概念が存在しないため、教義上は喪中はがきを送る必要はありません。

喪中はがきの代わりとなる年賀欠礼

ただし、他の宗派の人々から見ると、一周忌前に年賀状が届くと非常識と捉えられる可能性があります。もし不幸があった年に年賀状を送ることに抵抗を感じる場合は、新年を迎える前に「年賀欠礼はがき」を送ることをおすすめします。これにより、他の人々に配慮を示すことができます。

この際、文面に「喪中につき」という言葉を使うのは教義にそぐわないため、「新年のご挨拶を失礼させていただきます」などの表現に言い換えるのがマナーです。

年賀状を出す・受け取る際の配慮

年賀状は、新年を祝う意味合いがありますので、浄土真宗以外の宗派では喪中の場合は控えるべきとされています。そのため、喪中の方々は、喪中であることを周知するためにはがきを送ることが一般的です。

一方で、浄土真宗の場合は、年賀状を送ることに特に問題はありません。ただし、受け取る側がまだ喪中であることを理由に受け取りを戸惑う可能性も考慮しなければなりません。そのため、年賀状を送る前に、相手に対して宗教上の問題がないことを説明するなど、配慮が必要です。

キリスト教の喪中とクリスマスカード

キリスト教においては、死は人間の避けられない運命であり、その後の永遠の命への移行と信じられています。そのため、キリスト教では死を忌み嫌うことはなく、むしろ故人の霊的な旅立ちを祝福し、神のみもとでの永遠の命へと帰ることを願うのです。このようなキリスト教の考え方に基づくと忌中や喪中という概念は存在しません。

キリスト教でも喪中はがきは必要なのか

キリスト教における「死」という概念は、穢れたものではなく、むしろ「天国への凱旋」と見なされるものとされます。したがって、キリスト教徒の視点では、死による喪に服す期間は存在しません。

しかしながら、日本という国においては、社会生活を営む上で、少なくとも年賀状のような挨拶の交換が行われる場合には、喪中であることを示す「喪中はがき」を出すことが一般的とされています。

この習慣は、喪に服すことそのものよりも、相手に対する礼節や思いやりを示すために行われるものと考えられています。つまり、宗教的な観点ではなく、むしろ日本人としてのマナーや社会的な配慮の一環として、喪中はがきが用いられるのです。

クリスマスカードを喪中はがきの代わりにしてはいけない

キリスト教では、クリスマスカードの交換が一般的です。また、日本でもクリスマスカードが広まりつつあり、親しい関係の間ではクリスマスカードの交換が行われることが多いと思われます。

しかし、喪中はがきの代わりにクリスマスカードを使用することはおすすめしません。クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝うイベントです。例えば、以下のような文面をクリスマスカードに書くことは適切ではありません。

先日、父である〇〇が亡くなりました。つきましては新年のご挨拶を差し控えさせていただきますが、メリークリスマス!

このような文面は非常に不自然であり、受け取り手にも故人にも失礼になってしまいます。したがって、喪中はがきとクリスマスカードは別々に扱い、それぞれの適切な文面で送るようにしましょう。

よくある質問

浄土真宗では喪中に旅行へ行っても良いのでしょうか?

はい、問題ありません。浄土真宗には忌中や喪中という概念がないため、旅行やお祝い事などへ自由に参加することができます。

他宗派の友人に年賀状を出しても失礼になりませんか?

相手が他宗派で身内に不幸があった場合は、相手の宗教観を尊重し、年賀状の代わりに「寒中見舞い」を送るのが丁寧な対応です。

浄土真宗の葬儀で気をつけるべき言葉のマナーはありますか?

浄土真宗では「冥福を祈る」という言葉を使用しません。すでに極楽浄土へ往生しているという教えに基づくため、「哀悼の意を表します」などの表現に言い換えると良いでしょう。

忌中や喪中がない浄土真宗のまとめ

この記事を監修した葬儀のプロよりコメント

キリスト教と浄土真宗では忌中や喪中はありませんしかし配慮を忘れずに

浄土真宗やキリスト教においては、「死者を弔う」という習慣が存在しないため、喪中という概念そのものがありません。しかし、他の宗派の方々が混乱したり困惑しないように、一般的な常識や配慮を忘れずに行動することが重要です。

他宗派の方々との関わりや社会的な場で、喪中はがきの習慣が一般的であると知っている場合には、その習慣に従って喪中はがき(年賀欠礼はがき)を送ることも検討してください。

関 友宜 はばたきグループ 事業責任者
監修者

関 友宜
はばたきグループ 事業責任者

葬儀業界10年以上。対応した葬儀施行件数は2000件以上。
現在は神奈川県の葬儀社「はばたきグループ」の事業責任者として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。培った専門知識や経験をもとに、神奈川県の葬儀に役立つ情報をご提供します。