精進落としの挨拶と献杯のやり方|例文を用いて解説

葬儀終了まであと少し。精進落としでの挨拶もしっかり締めたいところです。

精進落としの挨拶は「はじまりの挨拶」「献杯」「おわり(お開き)の挨拶」の3回。どれも1〜2分以内の短いもので大丈夫です。献杯は乾杯とは違い、静かな声で唱和し、グラスは打ち合わせません。

この記事では、はじまりの挨拶とおわりの挨拶だけでなく、献杯の挨拶も喪主様バージョンと他の人バージョンでご紹介します。そのまま使える例文です。

この記事はこんな人におすすめ

  • 精進落としでの挨拶文で悩んでいる
  • 人前で話すのが苦手
  • 挨拶の例文が知りたい
  • 献杯だけ急に頼まれて困っている
目次

精進落としの挨拶は3回|タイミングと流れ

精進落としは、本来は四十九日の忌明けに精進料理から日常の食事に戻すという意味合いで食べられてきた食事です。

近年では葬儀後の当日中に行ったり、火葬中の待ち時間に行われることが一般的になりました。告別式に参列された方の中からごく親しい人だけを招待して行う会食です。

よく似た会食に、お通夜の後の「通夜振る舞い」があります。通夜振る舞いが弔問してくださった方みなさんに召し上がっていただくものであるのに対し、精進落としは招く方をあらかじめ決めて席を用意する、より内輪の会食です。その分、挨拶も「参列者全体へのご挨拶」というより「お世話になった身内へのお礼」の色合いが濃くなります。

通夜振る舞いより人数が減るものの、緊張する場面であることに変わりはありませんよね😅

挨拶の全体の流れは次のとおりです。

挨拶タイミング話す人長さの目安
はじまりの挨拶全員が席に着いたら喪主(または親族代表)1分程度
献杯の挨拶はじまりの挨拶に続けて喪主でも、依頼された方でも可30秒〜1分
おわりの挨拶開始から1〜2時間、頃合いを見て喪主(または親族代表)1分程度

もしかしたら献杯だけ頼まれて慌ててこのページを読んでいる方もいるかもしれません。例文そのまま使ってもOKな一般的な挨拶をご紹介します。

精進落とし「はじまりの挨拶」の例文

昨晩のお通夜、本日の葬儀、告別式と、ご多忙のところ〇〇のためにご会葬いただきありがとうございました。

おかげさまで滞りなく一切の葬儀を終えることができました。

ささやかではございますが、皆様へ感謝の気持ちを込めてお食事をご用意させていただきました。

時間の許す限り、ゆっくりお召し上がりください。

本日はありがとうございました。

ポイント

  • 告別式に参列いただいた御礼
  • 無事に葬儀が終わった報告
  • 食事の案内

がちゃんと入っていればOKです。

なお、火葬中の待ち時間に精進落としを行う場合は、「おかげさまで滞りなく告別式を終えることができました」のように、告別式までを終えた言い方に変えると自然です。ご僧侶が同席される場合は、お勤めいただいたお礼をひと言添えるとより丁寧です。

献杯の挨拶のやり方と例文|乾杯との違いに注意

通夜振る舞いにはなかった「献杯」。

これは故人様へ敬意を捧げる厳かなものです。

献杯は「杯を献(ささ)げる」と書き、故人様を偲び敬意を表すための慣習です。実は仏教の正式な儀礼ではなく、宗派や地域、ご家庭の考え方によっては行わないこともあります。必ず行わなければいけないものではないので、司会者や葬儀社スタッフの案内に合わせていただければ大丈夫です。

楽しい会で行われる「かんぱーい」とは全く違ったものなのでご注意ください😅

献杯と乾杯の違い

献杯乾杯
声の大きさ話すトーンのまま静かに大きく明るく
グラス打ち合わせない打ち合わせる
掲げる高さ胸の高さに少しだけ高く掲げる
その後拍手はせず、静かに口をつける拍手や歓声も

精進落としの挨拶に続いて行うのが一般的なので喪主が行っても良いですし、他の人に頼んでもかまいません。

どなたかにお願いする場合は、できれば前日までに「一言で結構ですので、献杯のご発声をお願いできますか」と伝えておきましょう。当日の突然のご指名は相手が戸惑ってしまいますし、事前にお願いしておけば進行もスムーズです。

喪主様以外が行う場合には、「故人〇〇さんの△△(友人、叔父など関係性)の□□(名前)と申します」のように、まず始めに自己紹介を行ってくださいね。

その際に故人様との思い出を簡単に語れると良いですね。

喪主が献杯の挨拶をする場合の例文

はじまりの挨拶が終わったら、そのまま喪主様が献杯をするパターンです。

  • それでは献杯をさせていただきます。御唱和をお願いいたします。献杯。
  • それでは、〇〇の冥福を祈って。献杯。

それでは、と仕切りなおさなくても、はじまりの挨拶のまま「ゆっくりお召し上がりください。献杯」と繋げてもかまいません。

友人・会社関係の人が献杯の挨拶をする場合の例文

ご紹介いただきました△△と申します。

〇〇さんとは__での付き合いでした。

~思い出話~

〇〇さんの安らかな冥福を祈って献杯とさせていただきます。

献杯。

思い出話の部分は、次のようにごく短いものがよいと思います。

「○○さんと私は同じ会社に勤め、二十年、机を並べた仲でした。いつも笑顔を絶やさず、下の者を気遣ってくださる方でした。今日の安らかなお顔も最後まで○○さんらしく、胸が一杯です」

「○○君と私の出会いは中学三年生の時。以来、五十年にわたり親友と呼び合い、ご家族とも親しくさせていただいていました。懐かしい思い出に、感謝しかありません」

ご友人や会社の方が挨拶をする場合は「ご遺族様の心中を思うと言葉もありません」など、遺族様への気遣いの言葉があるとさらに良いと思います。

親族代表(ご遺族)が献杯の挨拶をする場合の例文

喪主様ではなく兄弟やお子様などご遺族様が献杯の挨拶をすることもあります。

故人の弟の□□でございます。

本日は兄のためにお集まりいただき、ありがとうございました。

皆様に見送っていただき、兄もさぞ喜んでいることと存じます。

それでは、兄を偲んで献杯させていただきます。献杯。

ポイント

献杯は、乾杯のように大声では言いません。話すトーンと同じ音量で静かに。グラスを持った手は高くあげずに、少しだけ上げるようにします。

精進落とし「おわり(お開き)の挨拶」の例文

皆様、長時間にわたり最後までお付き合いいただきありがとうございました。

故人もさぞかし感謝していることと存じます。

思い出話をもっと聞きたいところですが、皆様もお疲れかと思いますので、これにてお開きとさせていただきます。

皆様どうぞお気をつけてお帰りください。

本日は誠にありがとうございました。

ポイント

最後は長時間、参列いただいた御礼が言えればOKです。

気遣いの言葉があれば問題なし😊

お開きのタイミングは、お料理がひと段落して会話が落ち着いてきた頃が目安です。頃合いが分からないときは、葬儀社のスタッフや会場の担当者に「そろそろというタイミングで合図をください」とお願いしておくと安心です。

精進落とし・献杯の挨拶のマナーと避けたい言葉

例文をアレンジするときは、次の点にだけ気をつければ大丈夫です。

忌み言葉は言い換える

種類言い換えの例
重ね言葉重ね重ね、たびたび、くれぐれも「深く」「どうか」など
不幸が続く連想再び、続いて、追って「改めて」など
直接的な表現死ぬ、死亡「逝去」「永眠」「旅立つ」

神経質になりすぎる必要はありませんが、短い挨拶なので一度読み返しておくと安心です。

宗派による言い回しの注意(浄土真宗は「ご冥福」を避ける)

「ご冥福をお祈りします」は広く使われる表現ですが、浄土真宗では冥福を祈るという考え方をしないため、「故人を偲んで」「感謝を込めて」と言い換えるとより丁寧です。

献杯前後の会食マナー

  • 献杯が終わるまでは、料理や飲み物に手をつけないのがマナーです
  • 献杯の後、拍手はしません。一礼して静かに口をつけます
  • 飲み物に決まりはありません。お酒が飲めない方はお茶やジュースで大丈夫です

人前で話すのが苦手ならメモを見ながらでOK

葬儀の挨拶は、スピーチの上手さを披露する場ではありません。紙に書いたメモを見ながら話しても失礼にはあたりませんし、実際に多くの喪主様がメモを手に挨拶をされています。

緊張しやすい方は、次の3つだけで十分です。

  1. この記事の例文をそのまま紙に書き写す
  2. 名前や続柄などの固有名詞だけ書き換える
  3. 当日はゆっくり読み上げる

途中で涙に詰まってしまっても、誰も気にしません。むしろ、お気持ちはそのほうが伝わるものです。

精進落としの挨拶・献杯に関するよくある質問

献杯の挨拶は誰に頼めばいいですか?

明確な決まりはありません。喪主様がそのまま行っても、ご兄弟・お子様などご遺族、故人と親しかったご友人や会社関係の方でも大丈夫です。当日突然お願いすると相手が戸惑ってしまうので、できるだけ事前にお願いしておきましょう。

献杯の挨拶を頼まれたら、何を話せばいいですか?

「自己紹介(故人との関係)→短い思い出→ご遺族への気遣い→献杯の発声」の順で、1分以内が目安です。皆様がグラスを持って待っている状態なので、短いほど喜ばれます。この記事の例文をそのまま使っていただいて大丈夫です。

お酒が飲めない場合、献杯はどうすればいいですか?

飲み物に決まりはないので、お茶やジュースで問題ありません。運転される方や体質的に飲めない方は、グラスに口をつけるだけでも失礼にはあたりません。

家族葬でも献杯の挨拶は必要ですか?

必須ではありません。ごく身内だけの家族葬では、形式ばった挨拶を省き「それでは、〇〇を偲んで。献杯」と一言だけにするケースも増えています。

精進落とし自体を行わない場合はどうすればいいですか?

火葬後に解散する場合は、お弁当(折詰)とお酒などをお持ち帰りいただく形で代えることが多いです。その場合は出棺前や解散時の挨拶で、会食を用意できないお詫びと感謝をひと言添えましょう。

まとめ|精進落としの挨拶は感謝が伝われば十分

  • 精進落としの挨拶は「はじまり・献杯・おわり」の3回。各1〜2分以内でOK
  • 献杯は乾杯と違い、静かに唱和し、グラスは合わせず高く掲げない
  • 献杯の挨拶は喪主以外に頼んでもよいが、事前の依頼がマナー
  • 例文はそのまま使って大丈夫。忌み言葉だけ軽くチェックを

挨拶は上手に話すことより、感謝の気持ちが伝わることが大切です。この記事の例文をそのまま使って、落ち着いて臨んでくださいね😊

関 友宜 はばたきグループ 事業責任者
監修者

関 友宜
はばたきグループ 事業責任者

葬儀業界10年以上。対応した葬儀施行件数は2000件以上。
現在は神奈川県の葬儀社「はばたきグループ」の事業責任者として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。培った専門知識や経験をもとに、神奈川県の葬儀に役立つ情報をご提供します。